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 みなさん今日は、私は「ゆきやん」と申します。
 大和高原の小さな村に住み、高原の田畑と森を手入れする日々を送っています。
 森の木を最適な状況に管理し、間伐した枝を持ち帰り、薪(まき)と柴(しば)で風呂を焚きます。最近、「柴(しば)」と言っても若い人たちに伝わらなくなりました。ゴルフ場の芝ではなく、燃料にする「たき木」のことです。
 江戸時代の農民出身学者・新井白石のように柴を折り、燃料として利用する日々を過ごしています。海外から石炭や石油、天然ガスを輸入したり、原子力に頼らねば日々の生活が成り立たない現代社会にあって、江戸時代やはるか昔の縄文時代のような自然に近い生活を送っています。








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  015 2021/11/09

 山里の危機 その2


 ◎山里の危機その2 

 2020年、大和高原の里山に静かに静かに危機が忍び寄る。三ヶ谷(みかだに)という静かな集落の外れに10トンダンプ約120台もの黒い土砂が搬入されたのです。

     

 「道路脇の谷の地形に、まだ湯気の上がっている真っ黒な土砂が、ダンプカーでどんどん谷の田んぼを埋めた。谷を埋めた黒い土砂はやがて、高く高く10メートルも積み上がり、さらに谷の下へ落ちそうになったので、土砂の崩落が無い程度にダンプカーで他の場所に運ばれた。しかし、今も約100台分程度の土砂は道より高く積み上げられている。」
 この谷の下流に田畑を所有するKさんや細い里道をはさんですぐ隣に事業所を構えるAさんたちは、以上のように目の前で起きたことを語られる。

 ◎熱海の土石流のような事態にも! 
 この土地は地権者が土地業者に売り渡し、農地ではなくなっていました。その為に「黒い土砂」が積み上げられてしまう事態になりました。業者は、さらに谷の下流に「黒い土砂」を搬入しようといて下流の田畑を持つ農家の人たちとの間でもめ事になったのです。
 「里山の危機その1」の様に大量の「黒い土砂」・産業廃棄物が搬入されていたかも知れません。
 静岡県熱海の土石流のような事態になっていたかも分からないのです。

 ◎土砂の搬入を止める 
 下流に田畑を持つ農家の人たち一人ひとりが危機を感じ、業者の思惑をきっぱりと断ったこと、さらにこの地区のN区長も「田畑を持つ人たちが反対しているのに同意書に区長印を押すことは出来ない。」と、業者の思惑を断った。2020年の出来事でした。

 ◎谷の下には奈良県民の「水がめ」が! 
 この谷の水は奈良県民の「水がめ」上津ダムに流れ込みます。
 「水源は大丈夫なのか。」
 黒い土の騒動で地元の村役場が土の検査を行いましたが、規制値以内ということでした。
 しかし産業廃棄物が投棄される事態は県内各所で起きています。産業廃棄物投棄の実態は年々巧妙になり行政との「いたちごっこ」になっています。近隣の水がめ「天理ダム」の例を上げるまでもありません。

 ◎熱海土石流事故を考える 

 産業廃棄物を好き好んで受け入れてくれる所は日本中何処にもありません。その為、産業廃棄物の処理は莫大な利益を生む行為でもあります。都会の大きなビルを建設するに当たって地下何階分もの土砂が出ます。この土砂を棄てる業者に罰を与えることは出来ても、ビル建設を命じた業者に罰を与える法律はないのです。
 東京オリンピックを行うには、多くの土木工事が行われました。オリンピックを命じた日本の総理大臣を、産業廃棄物不法投棄の罰で逮捕せねばならないからです。
 熱海土石流事故では、不法投棄を行った業者に逮捕状が出たそうですが、ビル建設を命じた者にこそ逮捕状が出る法律を作らねばならないのです。

 ◎太陽光発電パネルを見てみると 



 じっとよくパネルの足もとを見てください。ホームセンターで販売されている鉄パイプと金具で土台が組まれています。
 台風・大風の時、簡単にパネルが飛んで行き、周辺に被害を及ぼしていることは既に周知の事実です。このような危険なパネルは、あってはなりません。すぐに撤去すべきです。