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人生は旅。　
知らない街を歩いてみたい　
知らない海をながめていたい　
どこか遠くへ行きたい　
遠い街遠い海
夢はるか一人旅。

けれど、
遠くへ行かなくても旅はできます。

たとえば、
近所を散歩して知人に出会い
雑談するのも旅。
誰かに読んでもらいたくて、
こうやって文を綴るのも
私にとっては旅。

さて、どこまで放浪できるか ……






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　№056　　2021年 3月10日

　この人　放浪楽人　古都京都に、只今参上 ！




　２０２０年１２月１０日午後１時、１０年ぶりに京都駅に来た。青春時代に数々の彼女とこの駅で待ち合わせをしてデートをした。1日が終わりこの駅で別れ、再会を約束した。結局永遠の別れになったこともあった。喧嘩もした、泣かせたこともあった。懐かしい駅だ。折しも時は１２月、私の脳裏に山下達郎の「クリスマスイブ」の甘いメロディーが流れ、JR東海のCMのワンシーンが浮かんだ。
　約束の時間より１時間も早く着いた。今日、彼女はどんな服装でどんなお洒落をしてくるのだろう。ハラハラドキドキ、こんな気持ち本当にひさしぶりだ！



　違う違う！　彼女なんかじゃない。今日会うのは７０才過ぎの髭おじさんだ。私は何を瞑想しているのだろうか？
　
　時を2日前に戻そう！
　映画「ひだるか」の港健二郎監督から電話をいただいた。監督曰（いわ）く「私の自宅に来てもらうのは構わないのだが、母が亡くなったばかりでまだいろいろ片付いていない。だから京都駅で会いましょう！」とのこと。私は監督とお話が出来るのだったら、京都駅でもアンドロメダ・メーテル駅（銀河鉄道９９９より）でも構わないので、「ありがとうございます！」と即答した。監督はさらに「僕で不足だったら、ひだるかの主演女優の岡本美沙さんにも声をかけようか？」とおっしゃった。私は「いいえ、とんでもない！監督とお会いできるだけで十分光栄に思っています。」と遠慮したが、本当は「天がいくつもの才能を与えた」岡本美沙さんにもお会いしてみたかった。（後日岡本さんとは、意外な形でお会いすることになるが、それはまた後のお話お楽しみ！）
　
　１２月5日に初めて港監督とお会いしたにも関わらず「監督の家に遊びに行っていいですか？」とあつかましいお願いをした。「いいですよ。」と返事をいただいたが、まさか5日後にこうやって本当にお会いできるとは思わなかった。監督の優しさが有難い半面、愛想ばかりの関西人の典型である私が何だか恥ずかしい。

　監督とは、京都駅構内の喫茶店「英国屋」で待ち合わせ。お会いするのは2度目だが、その立派な体格とスーパーマリオのような風貌ですぐに監督とわかる。
　映画のことを中心にいろいろ監督からお話を伺った。映画の話はとても楽しくて、私は映画好きで良かったなあとつくづく思った。以下、監督のお話をまとめると。


・両親は与論島（鹿児島県南端）出身。父は三池炭鉱に勤めていたので少年時代は大牟田市（福岡県）で過ごす。
・中学・高校時代はブラスバンド部で指揮者と打楽器を担当していた。
・学生時代は右派的思想で固まる。
・役者をしていた時期があり、NHK大河「北条時宗」「利家とまつ」にも出演した。
・現在、高次脳機能障害をテーマにしたドキュメンタリー、ひだるか２、反原発・在日朝鮮人問題等をテーマにした脚本を書き、映画製作が進行中とのこと。ひだるか２の主演は藤原紀香を想定していた。また、ひだるかの主人公原陽子の１５年後を描く映画も企画中で、もちろん主演は岡本美沙さんの予定だ。
・尊敬する映画監督は、社会派の巨匠山本薩夫監督。
・好きな映画は内田吐夢監督の「飢餓海峡」
・1男4女の子持ちで、現在独身である。（事情は詳しく聞けなかったが、波瀾万丈の匂いがする）

　この間、私が話をすると監督はノートを開いて熱心にメモをされていた。
　コーヒーだけを注文して、約2時間過ごした。英国屋はホットコーヒーが５６０円と高いのだが、2杯目のお代わりが無料なのでかえって安くついた。
　監督と別れ際に「お願いがあります。今日のコーヒー代を私に奢らせてください。その代わり、映画監督の港健二郎にコーヒーを奢ったとブログに書かせてくださいね！」と言ったら、監督は京都駅中に響き渡るように豪快に笑った。

　その後「放浪楽人さん、これからはいろいろと映画作りに協力してくださいね。そのために連絡を密にしましょう。また近々お会いしましょう。」と言ってくださった。関西人ならこれは愛想であると解釈する。だからほとんど信用しない。
　しかし愛想ではなかった。後日、今執筆中の脚本を読ませていただいた。メールは週に2回ほどのペースでくださる。既読スルーは絶対になさらない。私のブログは更新したら必ず見てくださる。この一か月後また二人で会ってくださった。まさに有言実行だ。

　さすが港健二郎は九州の人。豪快で誠実で裏表がない。それに比べて関西人の放浪楽人は・・・と思った読者がいたら、もしいたら、敢えて言わせていただく、
「うっせぇわ！」（今注目のAdoのヒット曲）


　では、京都を歌った昔懐かしのヒット曲、渚ゆう子の「京都の恋」で今回は、ほな、さいなら！




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　読者のみなさんからのレビュー（感想）第５３話 あの人　港健二郎　古都奈良に、只今見参！

　放浪楽人さんは色々な会のお世話を、いつも真面目に取り組んでおられる事、凄いなあと感心しております！良かったですね、その映画の監督と親しくなるなんて。その道に秀でた方との交流は 自分磨きにはとてもプラスになりますよね。これからも益々頑張って下さいませ。
　　　　　　　（ヤマトナデシコさん　７０才代女性）
　
　拝見してびっくり。すごい出会いでしたね！！監督が…驚かれたでしょう！
そしてすごくチャーミングな監督さんとまっすぐ向き合われた放浪楽人さん。
ステキなご縁が繋がったのですね?。素晴らしいことです♪♪ステキです。
放浪楽人さんのびっくりされたお顔が目に浮かびます。
続きを楽しみにしています。
　　　　　　　（村田隆子さん　バイオリンプロ演奏家）

　映画監督とこのように親しくなり、おまけに家へ行く事までも許してもらうなんて、放浪楽人さんの人柄でしょうか。
このようにして、また行動範囲が広がり忙しくなって行くことでしょう。
　　　　　　　（みーちゃん　７０才代女性）

私は映画のことはよくわかりませんが、いろんな活動から人の輪を広げておられるのは放浪楽人さんの人徳。すごい！
　　　　　　　（北の成人さん　６０才代男性）

　放浪楽人さんの人間ウォッチング凄い！出会った人を決してスルーしないで何かを残してるんですもの。
　　　　　　　（プルメリアさん　７０才代女性）
　
　面白いですね。笑ってしまいました。今、花岡事件のドキメント映画企画書執筆で追い込まれていましたが、心が和みました。本当にありがとうございます。
　　　　　　　（港健二郎さん　映画監督・脚本家）

　「ひだるか」に関わる活動をされていたのですねー。「あさが来た」や別の映画などで、炭鉱の厳しさは何となく聞き覚えていましたが、一度きちんと見てみたいと改めて思います。
　　　　　　　（安永早絵子さん　打楽器プロ演奏家）

　放浪楽人さんの知識の深さ広さ、感性の鋭さ、表現の上手さには感心します。羨ましい限りです。
　　　　　　　（福沢義治さん　７０才代男性）

　スーパーマリオとか悪役の浪人とかマフィアの親分とか、有名な映画監督をそんな風に表現していいのですか？まあそれだけ親しくなったということか、それとも港監督の寛大さなのか。とにかく港監督の大きさが分かります。
　それにしても放浪楽人さんがいかにたくさんの映画を観てきたかよく分かりました。有名な映画監督をワンフレーズで語れる人ってめったにいないと思います。例えば、そのワンパターンがはまればその世界観に魅了される好々爺小津安二郎、穏やかな物腰で一代記を得意とする女形木下恵介とか、思わず笑ってしまいました。よく知らない私でも興味を持ちます、どんな監督なんだろうって。
　いつか、港健二郎監督と放浪楽人との映画談義をブログにしてください。
　　　　　　　（中年ジェットさん　５０才代男性）