profil

人生は旅。 
知らない街を歩いてみたい 
知らない海をながめていたい 
どこか遠くへ行きたい 
遠い街遠い海
夢はるか一人旅。

けれど、
遠くへ行かなくても旅はできます。

たとえば、
近所を散歩して知人に出会い
雑談するのも旅。
誰かに読んでもらいたくて、
こうやって文を綴るのも
私にとっては旅。

さて、どこまで放浪できるか ……






【放浪楽人】Topへ


【有朋自遠方来】Topへ


【一握の知力】Topへ













































































































     一つ前の記事へ


   次の記事へ   


 020  2019年12月10日

 たわらもと吹奏楽団にハリウッド女優がいた?
                  〜本番デビューの日に〜


 10月20日(日)が、たわらもと吹奏楽団に入って初めての本番(人前で演奏)の日だった。入団してまだ一か月なのに、大事な本番に出演させていただくことになり本当に嬉しかった。

 本番は午後なので、午前中はスタジオで練習(全体での合わせ)だ。いつも通り打楽器をセッティングして、合わせが始まるまで私は個人練習をしていた。するといつの間にか、全身黒ずくめで結構体格の良い?おばちゃんが、打楽器の周りをウロウロしだした。「何だろうこの人?」と様子を見ていると、突然シェイーカーという楽器を左手に持ち、振って音を出し始めた。


(シェイーカーとは中に砂状のものが入っており、振って「シャカシャカ」という音を出す打楽器。元赤い鳥 ハイファイセット山本潤子がユーミンの「中央フリーウェイ」を歌う時によく振っている。ちなみに山本潤子は奈良県吉野郡天川村出身)



 それから彼女は右手でボンゴもたたき始めた。何とも器用で上手にリズムをきざんでいる。私は変に思い周りいる人達を見たが、打楽器パートの人も他の楽団員も彼女を気に留める様子は無かった。やがてこの人、顔を縦に振り腰を横に振りながらなおリズムをきざみだした。それが何ともいえずカッコイイのだ!
 この間この人何も言わないので、「ひょっとしたら、何らかの理由で外国人が紛れ込んで来たのかも」と私は思った。
そういえば主役がこんな風に体でリズムをきざみながら、車の掃除をしていた洋画の1シーンがあったなと記憶を辿ったら、あるアメリカ女優の顔が脳裏をかすめた。

 そうだ!ウーピー・ゴールドバーグだ!彼女は「ゴースト/ニューヨークの幻」でアカデミー助演女優賞を受賞した演技派で、歌も踊りも司会も上手にこなす。「天使にラブソングを」では主役を務めハリウッドのトップスターになった。
 「ゴースト/ニューヨークの幻」(1990年 主演デミ・ムーア)は、よくもまあこんな切ない男女の物語があったものかと、誰もが涙する恋愛映画である。特に脚本が素晴らしい。
この映画でウーピー・ゴールドバーグはインチキ臭い霊媒師を演じている。この霊媒師は自分勝手で嫌な奴なんだけど、最後に粋なセリフを吐き、映画の観客を微笑ませうなずかせてしまう、そんな名演技を披露した。
 「天使にラブソングを」(1992年 共演マギー・スミス)は、「サウンドオブミュージック」(1965年 主演ジュリー・アンドリュース)の逆パターンのような話。コメディタッチで、少しミュージカル仕立てになっている。お堅い修道女たちが踊りながらノリノリで聖歌を歌うシーンは、見ている観客も心弾み体でリズムをきざんでしまう。楽しくて笑ってしまうシーンが満載の映画である。
   

 さて、ウーピー・ゴールドバーグから話を元へ戻す。私はこの正体不明の女性が気になって仕方ないのだが、反面何となく関わりを持ちたくないなとも思ってしまい、視線を合わさずにいた。しかし、やがて向こうから私の方にやってきた。
「初めまして!ですよね!」(わぁーっ、日本人だ!)
「私、Tokkoっていいますねん。これからよろしゅう頼んまっさ!」(わぁーっ、しかもこてこての関西弁!)
「たわらもと吹奏楽団、団長の家内です!」(げぇーっ、団長の奥さん!?)
「私も今日の本番に出させてもらいますけど、まあ打楽器って、そんなに楽譜にこだわらんと、ノリを大切に臨機応変でええんとちがいますか!よう分からへんけど!」(よう分からへんって最後に付け足す、大阪のおばちゃんか!?)
 今から思えばTokkoさん、初本番で緊張しているだろうと、私の気持ちをほぐしに来てくれたのかもしれない。
 そんなことで、いつもの打楽器パート4人にTokkoさんを加えて今日の本番にのぞむことになり、合わせが始まった。彼女のおかげでいつも以上に楽しく時間が過ぎた。

 Tokkoさんは普段、たわらもと吹奏楽団専属の「キューティーズ」(小学生の女の子で構成するチアダンスチーム)の振り付け指導をされているそうで、だからリズム感が抜群で身のこなしが軽いのだと納得した。
 キューティーズは、吹奏楽の練習に子連れで来ていた親たちの子どもを預かっている時、スタジオから聞こえてくる演奏に合わせて子どもたちと一緒に踊ったことがきっかけとなって生まれたチームで、今ではたわらもと吹奏楽団の看板スターである。

 午後になり、田原本駅前近くの特製野外ステージで本番演奏があった。たわらもと吹奏楽団はこの日のイベントのトリ(最後)を務め、アンコールも含め10曲演奏した。Tokkoさんはステージ上で打楽器を演奏しながら、ステージ下のキューティーズのダンスを監督するという離れ業をしていた。いずれにしても彼女の力で、私はたいして緊張もせず気楽に最初の本番を終えることができた。
 では、この日演奏した「ど演歌コレクション」を聴いてください。(タンバリンとボンゴの音が聞こえたら、私の演奏と思ってください。)



 この日の夕方に楽団の打ち上げがあり、私は4時間の飲み会のほとんどをTokkoさんと過ごした。彼女は学生時代吹奏楽部の中のチアリーダーパートに所属し、バトントワリングやカラーガード(旗振り)をしていたそうだ。団長とは高校・大学時代、吹奏楽を通じて出会われた。今はボランティアとして隣町の中学校でマーチングバンドのコーチを17年ちかくやっておられる。
彼女といろんな話をしたが、とりわけ今の若い親たちの子どもに対する教育の危なっかしさについてお互い熱く語り意気投合した。話を聴いて、彼女は教師ではないが根っからの本物の教育者であると確信した。
 またこの飲み会の間、多くの団員が彼女のところへ話をしにやって来た。その楽しそうな様子を見ていて、Tokkoさんの姉御肌が「たわらもと吹奏楽団」を支えていることもよく分かった。人間関係でいろいろご苦労されて、それを糧にしてきた人だということも想像できた。とにかくいろんな意味で懐の深いスケールの大きな女性で、私が今まで出会ったことのないタイプの素晴らしい女性である。

 Tokkoさんや団長をはじめとした楽団の人たちとの出会いが、私の人生を豊かにしてくれている。

 左の写真が3年前のTokkoさん(小泉今日子?)、
 右の写真が現在のTokkoさん(ウーピー・ゴールドバーグ?

     

 なお、この文章と写真の掲載についてはTokkoさんの許可を得ております。
(許可どころか、大喜びしてくれました!!)


------------------------------------------------------------------
たわらもと吹奏楽団 まほろばウインターコンサートのお知らせ

日時 12月15日(日) 13時30分開演
場所 田原本青垣生涯学習センター 弥生の里ホール
共演 たわらもとジュニアバンド 北中学校吹奏楽部 田原本中学校吹奏楽部
入場無料 自由席
どうぞお越しください!!