有朋自遠方来 放浪楽人(さすらひのがくと)
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人生は旅。
知らない街を歩いてみたい
知らない海をながめていたい
どこか遠くへ行きたい
遠い街遠い海
夢はるか一人旅。
けれど、
遠くへ行かなくても旅はできます。
たとえば、
近所を散歩して知人に出会い
雑談するのも旅。
誰かに読んでもらいたくて、
こうやって文を綴るのも
私にとっては旅。
さて、どこまで放浪できるか ……
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058 2021年 5月 4日
続・私が選んだ 異色の映画デビュー女優3人
最近の女優は、愛くるしくて親しみやすい顔立ちがうけるようで、朝ドラの主演でいえば、高畑充希・有村架純・永野芽郁・二階堂ふみ・杉咲花などがそうだ。
それに対し、映画「ひだるか」で主演デビューした岡本美沙は、かつての日本映画の伝統的な、いわゆる目鼻立ちの整った美女なので、彼女が画面に登場した時私は「久々に出て来た美人女優」だと少し嬉しくなった。岡本のお母さん役の、若かりし時の星由里子もそうだった。
岡本がセリフを言った瞬間、私にはある女優の姿がオーバーラップした。それは映画「隠し砦の三悪人」で主演した上原美佐だ。上原も日本映画の伝統的な美人女優だ。二人の紋切り型のセリフ回しもよく似ている。おまけにどちらも名前は「ミサ」だ。
暫くして岡本の声に慣れてくると、今度はまた違う女優の姿がオーバーラップした。それは映画「Shall we ダンス?」で主演した草刈民代だ。彼女も日本映画の伝統的な美人女優で、二人同様紋切り型のセリフ回しだ。また、岡本と草刈は声が低くてハスキーな所も似ている。
(誤解の無いように付け加えるが、「美人」の概念は時代と共に変わる。私がここでいう美人とは、かつて日本映画で主演してきた女優を指している。)
下の3人の写真を見比べてほしい。どことなく顔立ちが似ていないだろうか。
さて、この3人の女優の最大の共通点は「主演で映画デビューした大根女優」であるということだ! 「大根」すなわち演技が下手なのだが、デビュー当時上原は普通の大学生、草刈はバレリーナ、岡本はピアニストで、それまでもちろん演技経験が無かったわけで、へたなのは当然である。
上原美佐の場合
上原の演じた役は、戦国大名の跡取り娘、雪姫だ。本来お姫様は城の中で、限られた範囲の中で限られた家臣にしか接触がない。だからほとんど人との会話などは無いのだ。まして饒舌にしゃべる必要が無いのだ。
したがって、雪姫の紋切り型のセリフ、感情の無い片言のセリフは、考えてみるとある意味リアルなのかもしれない。黒澤明監督がそこまで考えて彼女を抜擢し、彼の考えるお姫様像を追求したかどうかは、今となっては検証出来ない。
上原はその後8本の映画に出演し、映画界を引退する。
草刈民代の場合
草刈の演じた役は、社交ダンスの元トップダンサーで、訳あって今は父親のダンス教室の講師を勤める岸川舞だ。彼女の場合は演技派揃いの共演者に囲まれたので、演技の下手さが浮き彫りになったが、やはりそこは世界に誇るバレリーナだ。ダンスの場面はもちろん、その立ち振る舞いが美しい。存在感が半端ないのだ。
草刈はその後監督の周防正行と結婚し、バレエ界を引退する。最近は「ドクターX」に出演するなど、女優としての独特の存在感を出している。
岡本美沙の場合
主演ではあるが、上原の「隠し砦の三悪人」は三船敏郎が主役である。草刈の「Shall we ダンス?」は役所広司が主役である。この2人に対し岡本の「ひだるか」は彼女が正真正銘の主役、ニュースキャスターの原陽子を演じている。2時間近くの映画のほとんどのシーンに出ている。映画初出演で、本当によく頑張ったなとその努力を称えたい。
港健二郎監督も彼女に厳しい演技指導をしたと思うが、監督にとっては自分の娘のように感じた可愛い女優さんだっただろうと、映画を観ていて察しが付く。
岡本はその後、本来のピアニスト・作編曲家・映画の音楽監督としてだけではなく、映像作家として映画監督としても活躍、FMラジオのDJのレギュラーも持つなど、多彩な才能を生かし活動をしている。
映画「ひだるか」の続編を港監督は撮る予定で、もう脚本も出来ているらしい。あれから16年後の原陽子を描く。主演はもちろん岡本美沙。16年後に続編しかも同じ女優で、世界でもめったに例のない映画になる。岡本の演技が何より楽しみだ。
岡本美沙を最初に見た時、宝塚の男役出身だと思った。私と同じ思いを持った雑誌記者がいたらしく、彼女へのインタビューで、「岡本さんはどこの出身ですか?」と聞いたら、岡本は「宝塚です。」と答えたので、「やっぱりそうでしたか。歌劇団の何組でしたか?」すると岡本は、「いいえ、生まれが宝塚市です。」と答えたとか。これは本当の話(笑)
では、「隠し砦の三悪人」と「Shall we ダンス?」の予告編をご覧ください。
読者のみなさんからのレビュー(感想)第57話
私が選んだ 異色の映画デビュー女優3人 〜Angelita Misa1〜
興味深く拝見いたしました。放浪楽人さんの映画愛が溢れてますね。考察いっぱいで研究論文レベル。引き続き楽しみにしております。
(村田隆子さん バイオリンプロ演奏家)
ありがとうございます!岡本美沙さん、謙遜してましたよ。ひだるか続編、来年何としても具体化したいです。
(港健二郎さん 映画監督)
大変面白く読ませていただきました。「隠し砦の三悪人」のヒロインを演じた上原美佐、全く知らなかった女優ですが、放浪楽人さんが書かれているようにきりりとした顔立ちが魅力的ですね。以前、大阪で「大牟田の映画館」を展示した際、「隠し砦の三悪人」の三船敏郎のブロンズ像を展示したことを思い出しました。
(とりさん 60才代男性)
3人の女優さんの共通点はなんだろう?ちょっと興味があります。3人の中で映画を観て知っているのは草刈さんだけで、映画出演の後その監督さんと結婚され現在女優として活躍されている!他のお二人も、旦那さんが監督?違いますよね。答え、楽しみにしています。
(ヤマトナデシコさん 70才代女性)
草刈さんしかわかりませんでした。周防監督の奥さんでダンサーぐらいしかわかりませんが、カッコイいい人ですね。
(北の成人さん 60才代男性)
三人の女優さんの話ですが、上原美佐は知りません。一緒に写ってる三船敏郎なんかは知っているんですが…
草刈民代のShall we ダンス?テレビでもやっていましたが、やっぱり見ていません。けどバレリーナだと言う事は知っていました。
岡本美沙、ひだるかのDVDの音楽担当で名前が出ていたので、美人でスタイルが良くおまけに音楽もできるなんて、なんと多才な人なんでしょうね。けど他人の知らない苦労もあったんでしょうね。
(みーちゃん 70才代女性)
「ひだるか」を大阪の天王寺で去年の10月に観ました。港監督と岡本美沙さんの舞台挨拶が映画の上映後にありました。監督は話が上手でとてもいい声でした。岡本さんは、映画から15年経っているのに若さと美貌がそのままだったので驚きました。
(中年ジェットさん もうすぐ60才代男性)
続・私が選んだ 異色の映画デビュー女優3人
〜Angelita Misa 2〜
最近の女優は、愛くるしくて親しみやすい顔立ちがうけるようで、朝ドラの主演でいえば、高畑充希・有村架純・永野芽郁・二階堂ふみ・杉咲花などがそうだ。
それに対し、映画「ひだるか」で主演デビューした岡本美沙は、かつての日本映画の伝統的な、いわゆる目鼻立ちの整った美女なので、彼女が画面に登場した時私は「久々に出て来た美人女優」だと少し嬉しくなった。岡本のお母さん役の、若かりし時の星由里子もそうだった。
岡本がセリフを言った瞬間、私にはある女優の姿がオーバーラップした。それは映画「隠し砦の三悪人」で主演した上原美佐だ。上原も日本映画の伝統的な美人女優だ。二人の紋切り型のセリフ回しもよく似ている。おまけにどちらも名前は「ミサ」だ。
暫くして岡本の声に慣れてくると、今度はまた違う女優の姿がオーバーラップした。それは映画「Shall we ダンス?」で主演した草刈民代だ。彼女も日本映画の伝統的な美人女優で、二人同様紋切り型のセリフ回しだ。また、岡本と草刈は声が低くてハスキーな所も似ている。
(誤解の無いように付け加えるが、「美人」の概念は時代と共に変わる。私がここでいう美人とは、かつて日本映画で主演してきた女優を指している。)
下の3人の写真を見比べてほしい。どことなく顔立ちが似ていないだろうか。
さて、この3人の女優の最大の共通点は「主演で映画デビューした大根女優」であるということだ! 「大根」すなわち演技が下手なのだが、デビュー当時上原は普通の大学生、草刈はバレリーナ、岡本はピアニストで、それまでもちろん演技経験が無かったわけで、へたなのは当然である。
上原美佐の場合
上原の演じた役は、戦国大名の跡取り娘、雪姫だ。本来お姫様は城の中で、限られた範囲の中で限られた家臣にしか接触がない。だからほとんど人との会話などは無いのだ。まして饒舌にしゃべる必要が無いのだ。
したがって、雪姫の紋切り型のセリフ、感情の無い片言のセリフは、考えてみるとある意味リアルなのかもしれない。黒澤明監督がそこまで考えて彼女を抜擢し、彼の考えるお姫様像を追求したかどうかは、今となっては検証出来ない。
上原はその後8本の映画に出演し、映画界を引退する。
草刈民代の場合
草刈の演じた役は、社交ダンスの元トップダンサーで、訳あって今は父親のダンス教室の講師を勤める岸川舞だ。彼女の場合は演技派揃いの共演者に囲まれたので、演技の下手さが浮き彫りになったが、やはりそこは世界に誇るバレリーナだ。ダンスの場面はもちろん、その立ち振る舞いが美しい。存在感が半端ないのだ。
草刈はその後監督の周防正行と結婚し、バレエ界を引退する。最近は「ドクターX」に出演するなど、女優としての独特の存在感を出している。
岡本美沙の場合
主演ではあるが、上原の「隠し砦の三悪人」は三船敏郎が主役である。草刈の「Shall we ダンス?」は役所広司が主役である。この2人に対し岡本の「ひだるか」は彼女が正真正銘の主役、ニュースキャスターの原陽子を演じている。2時間近くの映画のほとんどのシーンに出ている。映画初出演で、本当によく頑張ったなとその努力を称えたい。
港健二郎監督も彼女に厳しい演技指導をしたと思うが、監督にとっては自分の娘のように感じた可愛い女優さんだっただろうと、映画を観ていて察しが付く。
岡本はその後、本来のピアニスト・作編曲家・映画の音楽監督としてだけではなく、映像作家として映画監督としても活躍、FMラジオのDJのレギュラーも持つなど、多彩な才能を生かし活動をしている。
映画「ひだるか」の続編を港監督は撮る予定で、もう脚本も出来ているらしい。あれから16年後の原陽子を描く。主演はもちろん岡本美沙。16年後に続編しかも同じ女優で、世界でもめったに例のない映画になる。岡本の演技が何より楽しみだ。
岡本美沙を最初に見た時、宝塚の男役出身だと思った。私と同じ思いを持った雑誌記者がいたらしく、彼女へのインタビューで、「岡本さんはどこの出身ですか?」と聞いたら、岡本は「宝塚です。」と答えたので、「やっぱりそうでしたか。歌劇団の何組でしたか?」すると岡本は、「いいえ、生まれが宝塚市です。」と答えたとか。これは本当の話(笑)
では、「隠し砦の三悪人」と「Shall we ダンス?」の予告編をご覧ください。
読者のみなさんからのレビュー(感想)第57話
私が選んだ 異色の映画デビュー女優3人 〜Angelita Misa1〜
興味深く拝見いたしました。放浪楽人さんの映画愛が溢れてますね。考察いっぱいで研究論文レベル。引き続き楽しみにしております。
(村田隆子さん バイオリンプロ演奏家)
ありがとうございます!岡本美沙さん、謙遜してましたよ。ひだるか続編、来年何としても具体化したいです。
(港健二郎さん 映画監督)
大変面白く読ませていただきました。「隠し砦の三悪人」のヒロインを演じた上原美佐、全く知らなかった女優ですが、放浪楽人さんが書かれているようにきりりとした顔立ちが魅力的ですね。以前、大阪で「大牟田の映画館」を展示した際、「隠し砦の三悪人」の三船敏郎のブロンズ像を展示したことを思い出しました。
(とりさん 60才代男性)
3人の女優さんの共通点はなんだろう?ちょっと興味があります。3人の中で映画を観て知っているのは草刈さんだけで、映画出演の後その監督さんと結婚され現在女優として活躍されている!他のお二人も、旦那さんが監督?違いますよね。答え、楽しみにしています。
(ヤマトナデシコさん 70才代女性)
草刈さんしかわかりませんでした。周防監督の奥さんでダンサーぐらいしかわかりませんが、カッコイいい人ですね。
(北の成人さん 60才代男性)
三人の女優さんの話ですが、上原美佐は知りません。一緒に写ってる三船敏郎なんかは知っているんですが…
草刈民代のShall we ダンス?テレビでもやっていましたが、やっぱり見ていません。けどバレリーナだと言う事は知っていました。
岡本美沙、ひだるかのDVDの音楽担当で名前が出ていたので、美人でスタイルが良くおまけに音楽もできるなんて、なんと多才な人なんでしょうね。けど他人の知らない苦労もあったんでしょうね。
(みーちゃん 70才代女性)
「ひだるか」を大阪の天王寺で去年の10月に観ました。港監督と岡本美沙さんの舞台挨拶が映画の上映後にありました。監督は話が上手でとてもいい声でした。岡本さんは、映画から15年経っているのに若さと美貌がそのままだったので驚きました。
(中年ジェットさん もうすぐ60才代男性)