【港のケンジロウ 大牟田 三池】   profil



港健二郎(みなと けんじろう)
映画監督 脚本家

映像づくりを生業にして50年。

劇映画、
ドキメント番組、
PR映像と
様々な分野の映像を制作。

それにともなうシナリオも
ほぼ自前。

終生のテーマは、
三井三池闘争の完全映画化。

映画制作中に世を去るのが理想。




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   008 2021/10/19




 今日は総選挙告知の日


今日は総選挙告知の日。
私たちの生活の根底を支える「政治」に厳しく向き合うべき日々の到来。
私は、コロナ禍の陰にかくれてひたひたと進む原発再稼働に向けての足音が気になって仕方がない。
国民的な人気の高い河野太郎氏が首相への道を絶たれたのは、「核燃料サイクル見直し」(=原発からの撤退)を唱えたからにちがいない。

でも、皆さん、思い出して欲しい。
未だ収束の目途がたたない福島原発事故が起こって、まだ10年もたっていなのだ。
私は、当時、こんな文章をfacebookに投稿していた。
長くて恐縮だが、ご参考までに・・・





 とうとう起こってしまった 福島原発の大惨事。

 私が、記録映画の監督になったばかりの頃、 資源エネルギー庁のスポンサーで、「原子力発電所の改良・標準化」という原子炉の安全性をPRする短編映画を作った。
 今回の福島原発を始め、各地の原発を取材し、中国電力の浜岡原発では、稼働前の原子炉格納容器の内部にまで入りカメラを回した。
 今から30年ほど前のことだが、当時の最先端技術のレベルの高さに驚いた。
 が、取材すればするほど、私の原発の安全性に対する信頼は薄れた。例えば、原発で使用するパイプの応力腐食割れの耐久実証試験。何本ものパイプが、ぱっくり割れていた。もちろん、私はカメラに収めたが、本編作品には使えなかった。

 原発を稼働すること自体で必ず被爆者が出る。
 どんなに制限時間を設けても、原子炉圧力容器下での制御棒の取り換え作業を行うには高レベルの放射線を浴びざるを得ないという残酷な現実。
 そもそも、毎年、3カ月という「修繕期間」を設けないと、安全に稼働できない「機械システム」とは何なのか?
 人類は、果たして「原子力」を正しく制御できるのだろうか・・・ しかも、プルトニュームの半減期は2万4千年。 遥か先の世代まで影響を及ぼす可能性があるのだ。

 そんなわけで、その作品以来、「原発の安全性」をPRする映像を作るのは断固お断りした。
 だが、原水協と組んで何本かの核兵器廃絶のための映像は作ったものの、積極的に原発の危険性を訴える映像は一本も作れなかった。
 唯一の例外が、劇映画のシナリオ「蒼白の太陽」。
 故・山本薩夫監督作品のためと大映が募集したもので、原発の定期検査中にテロリストが占拠するという内容だったが、ペラ500枚にもなり長すぎるし、予算もかかり過ぎと不採用になった。
 そして、今回の事態。









 映像の作り手として、もっと何かできなかったと、心の片隅が疼き続けているが、せめて、今、私に出来ることとして、ネットなどで知った情報で正しいと思うものをブログなどで伝え続けていきたいと思う。

 その後、友人の織江耕太郎氏原作の「キアロスクーロ」を脚色、映画化を目指したが先は見えない。「原発開発のグロテスクな闇」を暴く作品なのだが、いや。だからこそ、「原子力村」の圧力にあがらう力は残念ながら持ち得ていない・・・・のだ。

 深いため息・・・


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